1. ボリュームとベロシティMIDIデータ作成の上で最も基本かつ重要だと思われるのが,この「ボリューム(Volume)」と「ベロシティ(Velocity)」の調節です。平たく言えば「音量」のことで,それぞれ0〜127の数値で設定することができます。ボリュームはトラック全体の音量で,各トラック間の相対的な音量調節に役立ちます。一方,ベロシティはひとつひとつの音符(これをノート・noteと呼びます)の音量で,これを調節することにより,強弱等の微妙なニュアンスを表現することができます。 ボリューム設定は,後述のミキサーとの関係で詳しく説明しますので,ここではベロシティについての注意でとどめておきます。 DTMがコンピューターによる自動演奏を前提としているものであるとしても,全くの電子音だけでMIDIデータを作る場合は格別,MIDI機器に格納されている「楽器」のデータを使って作曲する以上,それぞれの「楽器を人間が演奏する」ということを念頭に音作りをしなければなりません。楽器特有の演奏上のニュアンスを大切にすることが,MIDI機器に格納されている音色データを最大限活用するために必要となるのです。また,音楽に不可欠の要素である「リズム」感を出すためにも,ベロシティの調節は役に立ちます。リズムに関しては,別段をもうけて説明しますが,拍子には「表」と「裏」があり,一般に「表拍子の方が強く」なります。例えば,4/4拍子で,「ツン・タ,ツン・タ,ツン・タ,ツン・タ」のリズムならば,「ツン」の部分に力が入るのです。 何故でしょうね。人間の生来のリズム感とでもいうのでしょうか・・・。こういうのを8ビートと言うのですが,人間の脈拍がこのリズムで,人は胎盤にいる時からこのリズムに慣れ親しんでいるからだとか・・・,まぁ,そんなところ。
2. ゲートタイム一つの音(note)の音量調節はボリュームとベロシティで設定すると述べましたが,音の長さはゲートタイムで設定します。楽器によっては,自然と音が減退していくもの,ゲートタイムが意味を持たないものもありますので,ご注意ください。 ドラムでは,ゲートタイムの設定は反映されませんので,できる限り短く設定しておいた方がよいかと思います。MIDI音源では同時発音数が限られていますので,無駄に音をかぶらせて同時発音数を消費する必要はありません。
3. エクスプレッション更に細かく音量ニュアンスを設定したい場合には,エクスプレッション(Expression)というコントローラーを使います。noteではなく,トラック全体に効力があります(0〜127の値で設定)。 ボリュームやベロシティの設定では一つのnoteの音量は固定されてしまいますが,エクスプレッションを使えば一つのnoteの音量を途中で動かすことができます。但し,エクスプレッションは,127が初期設定値になりますので(初期設定自体は変更できます),小さく設定することしかできません。曲の途中で高く設定したい場合は,セットアップ小節であらかじめ値を100程度まで下げておきましょう。 MIDI音色としての楽器の中には,なかなか音が減退していかないものもあります(例えば,サックス等)。これらの楽器は,ノートの音がキープされること自体が,明らかに不自然であり,エクスプレッションを使って音量を調節してやる必要があります。また,楽器の中には,自然に音が増幅していくものもあります(例えば,Feedback Guitar等)。こちらも,エクスプレッションを使えば,更に細かいニュアンスを設定することができます。
4. 設定例ベロシティとエクスプレッションの設定例です。
特に取り立てて説明するほどのことはないのですが・・・,下段がベロシティ,上段がエクスプレッションの設定となります。 エクスプレッションは,必要がなければ常に127をキープしておきましょう。ここでは,ギターのグリッサンドの効果を得るために,ゲートタイム終了間際から軽くエクスプレッションをかけています。 ベロシティは,もっと抑揚を付けてもよいのかも知れません(図中のパートはアンプシュミレーターがかかっているので,細かいベロシティ設定が反映されない為,あまり抑揚を付けていない)。 ボリュームの設定はしていないので,省略しています。ミキサー画面又はシステム設定で直接設定してやるのが良いと思います。いずれにせよ,ボリュームの設定は最後です。
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