MIDI機器の基本的な使い方が分かったら,今度は入力した音に色々と変化を加えてみましょう。まずは一般的なエフェクトの話として,コーラスとリバーブについて説明します。 1. コーラスとリバーブコーラス(chorus)とリバーブ(reverb)が一体どういったものであるかの込み入った説明は,ここでは控えさせていただきます(実は僕もよくわかんないのです・・・)。簡単に言えば,コーラスは和声的増幅音を加えるエフェクト,リバーブは空間的残響音を加えるエフェクトです。 ここで,少しややこしい話をしなければなりません。エフェクトの入れ方には大別して2種類,「センド(send)」と「インサート(insert)」があります。後者のインサートは,個別にトラック(パート)に対して,そのトラックのみに差し込む形で使われます。これに対して,前者のセンドは,複数トラック出力の原音を一つのエフェクト回路に送り,エフェクト音をまとめて送り返す形で使われます(専用のエフェクターやMTR等では,原音側に送り返す音量を設定できる「センド・リターン(send/return)」が一般)。 さて,MIDI音源でも,センド・インサート両タイプのエフェクトが使えるわけですが,インサートは音源性能により使える本数が限られるので,コーラス・リバーブはセンドでエフェクトをかけるのがよいでしょう。コーラス・リバーブをセンドで使う意義はもう一つあります。それは,複数トラック出力音をまとめて同一回路から出力することにより,例えばパンの設定によりバラバラにきこえる複数パートを,真ん中にまとめ直すことができる,ということです。特に楽曲の構成上使いたくない場合は別として,原則かけるように心がけましょう。但し,両者とも,かけすぎると原音がぼやけてしまい,メリハリのない音になってしまいますので,かけすぎには注意してください。 ※インサーション・エフェクト・・・MIDI音源内蔵エフェクトで,インサートで使えるエフェクト。音源性能により,同時に使用できるエフェクト数に限りがある。MIDI音源ではインサーションとセンド・リターンは別回路なので,インサーションをセンド・リターンとして使用したりすることはでない。なお,YAMAHA社製音源に特有のバリエーション・エフェクトはインサーション/センド・リターンのいずれにも切り替えて使用することができ,インサーションでしか使えないエフェクトを複数トラックに使用することもできる。
2. BrightnessとHarmonic Contentブライトネス(Brightness)とハーモニック・コンテント(Harmonic Content)の設定例です。前者のブライトネスは,倍音の周波数帯を調整し,後者のハーモニック・コンテントは,倍音の強弱を調整するものです。この2つを変更すれば,元の音色に急激な変化を与えることができます。ブライトネスを下げると高音域がカットされ,上げると,強調されます。ハーモニックコンテントを下げると,カットされる付近の倍音を押さえ込み,上げるとブーストすることになります。 なお,この2つのコントロール・チェンジはXG音源でしか使用できません。
例によって,上段がブライトネス,下段がハーモニック・コンテントの設定例となります。 設定の仕方には,大まかに分けて2つの方法が考えられます。1つは,ピッチベンド等と同じように,段階的に設定し,徐々に音圧を増して行くやり方です。2つ目は,個別のノート毎に設定してやる方法です。 後者の方法で,細かくノート毎にブライトネスを設定してやれば,Wahに似た演出が可能です。ギター・パート等に使用すると効果的です。 ※倍音・・・ある周波数の音(振動)を基音とした場合,その整数倍の周波数を持つ音(振動)も同時に鳴るが,これを倍音という。倍音は,特に弦楽器などでよく出る音で,楽器の音色の個性を作る一つの要因でもある。電子楽器では機材側で意図的に倍音の量を調節することができる(エレキ・ギターのワウなどはこの原理を利用している)。整数倍の周波数である限り,どれだけ加えても元の音が変わることはない。
3. コントロール・チェンジこれまで,ボリュームやパンの設定,エフェクトの使い方などを解説してきましたが,MIDI音源では,これらの設定のほとんどをコントロール・チェンジというメッセージを挿入することで行います。 設定は,コントロール・ナンバー(0〜119)で機能を選び,値(0〜127)で変化の程度を指定します。コントロール・チェンジは,シーケンス・ソフトなどを使ってMIDIデータに記述を行うので,あまり細かい番号や設定方法を覚える必要はありません。詳しい解説は,各ソフトのマニュアルを参照してください。ここでは,その他のコントロール・チェンジについて,簡単に補足をしておきます。[各パートの打ち込み]で具体的な設定の仕方を解説していますので,そちらも参考にしてみてください。
4. コントロール・チェンジ一覧表GM/GS/XGに定義されているコントロール・チェンジをまとめておきます。
※ブライトネス/ハーモニック・コンテント等はYAMAHA社製XG音源に特有のコントロール・チェンジです。
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