DTM講座

Binary-ID Music Studio

Home > DTM講座 > 作曲編 > スケール [ギター講座] / [Back]
[Menu]
1. モード・スケール 6.
2. ディミニッシュ・スケール 7.
3. ドミナント7thスケール 8.
4. ブルース・スケール 9.
5. ペンタトニック・スケール 10.

さて,音楽理論の解説もいよいよ終盤突入です。気合い入れていきませぅ♪

「調」の解説ではダイアトニック・メジャー/マイナー・スケールを,「和声」の解説ではマイナー・スケールの応用としてハーモニック・マイナー・スケール(和声的短音階)とメロディック・マイナー・スケール(旋律的短音階)を紹介しました。しかし,このページをご覧になっている方の中には,「止めどなく涙が流れるようなブルースを作りたいっ」とか「様式美を追求したいっ」などとお思いの方も多いかと思います。

今まで説明したスケールで作れる曲は,ロック・ポップスなどの現代音楽のみです。ジャズ・ブルースやクラシックをやるには,もう少し,それぞれのジャンルに特有な「スケール」を勉強する必要があるようです。と,言いましても,筆者(とっしー)自身,もっぱらジャズ・フュージョンを専門にしており,クラシックのこと等はよくわかりませんので,ここでも,簡単なスケールの紹介に止めておくことにします。

1. モード・スケール

7音階のスケールとしては先に説明したダイアトニック・スケール等が典型例ですが,このダイアトニック・スケールの開始音を変えることで,別の7種類のスケールを作ることができます。例えば,Cダイアトニック・スケールとDドリアン・スケールの関係はというと・・・。

これらは,中世の教会音楽の基礎とされていた7種の音階をコード・スケールに転用したもので,教会旋法(Church Mode)とも呼ばれます。以下,一つずつ見ていきます(違いをわかりやすくする為に,全て「C」を基準にしています)。

[C アイオニアン・スケール(C: Ionian Scale]
特に説明は不用ですね。ダイアトニック・スケールのことです。下線部はアボイド・ノート(avoid noteと呼ばれ,コード・トーンでもテンションでもないと判断される音です。
このスケールでの4thは,sus4コードとして,M3に代わって使用されます。
[C ドリアン・スケール(C: Dorian Scale]
ダイアトニック・スケールを2度から並べ直したスケール。マイナー・コード,マイナー7thコードの基盤となっています。
マイナー7thコードの基盤としては6thが,マイナー・コードの基盤としては,6th又は7thがアボイド・ノートとなります。
[C フリジアン・スケール(C: Phrygian Scale]
ダイアトニック・スケールを3度から並べ直したスケール。短2度を持つため,テンションとしての9thは使えません。マイナー7thコードの基盤となります。
[C リディアン・スケール(C: Lydian Scale]
ダイアトニック・スケールを4度から並べ直したスケール。メジャー・コードの基盤となります。増4度がテンションとして♯11thを構成。
アボイド・ノートはありません。
[C ミクソリディアン・スケール(C: Mixolydian Scale]
ダイアトニック・スケールを5度から並べ直したスケール。短7度をもつメジャー系のスケールで,ドミナント7thコードの基盤となります。
このスケールでも4thは,sus4コードとして,M3に代わって使用されます。
[C エオリアン・スケール(C: Aeolian Scale]
これも,特に説明は不用ですね。ダイアトニック・スケールを6度から並べ直したスケールで,マイナー・スケールに相当します。
但し,マイナー7thコードの基盤となるため,6thがアボイド・ノートとなります。
[C ロクリアン・スケール(C: Locrian Scale]
ダイアトニック・スケールを7度から並べ直したスケール。短2度と減5度をもつマイナー系のスケールで,マイナー7th(♭5)コードの基盤となります。
フリジアン・スケールと同様,テンションの9thは使えません。
[C ロクリアン #2・スケール(C: Locrian #2 Scale]
これはモード・スケールではありませんが,ロクリアン・スケールのm2M2に変化させたもので,ロクリアン9th・スケール,オルタード・ドリアン・スケール(Altered Dorian Scale)とも呼ばれます。
ダイアトニックUm7(♭5)(SDm:サブドミナント・マイナー)コードの根拠となります。

[和声]の解説ページに載せたテンション・コード活用表を思い出してください。マイナー7th(♭5)の欄に,「△(注意して使用)」が入っていたかと思います。ロクリアン・スケールには2種類ある,というのが,注意事項だったんですね。つまり,Um7(♭5)(SDm)コードとしては9thのテンションが使えるが,Zm7(♭5)コードとしては9thのテンションは使えない,ということになります。

モード・スケールは,これを用いて曲を作るとか,そう言った意味での「スケール」ではありません。あくまで,コードを基礎とした分散形としてスケールであり,フレージングやアレンジの為に用いられます。

モード・スケールは,「アベイラブル・ノート・スケール」として説明されることがあります。例えば,Cダイアトニック・スケールのDm7コード上では,Dドリアン・スケールが使用できる,といった感じです。とは言っても,Dドリアン・スケールの構成音はCダイアトニック・スケールの構成音と全く同じなのであり,こういった考え方がどれくらい意味を持つのかは疑問の余地アリです。むしろ,モード・スケールは,「コードを分散したスケール」であり,ノン・ダイアトニック・コードにいかに対応し,フレージングを決定していくか,の観点で活用するのが良いかと思われます。

例えば,Cメジャーの曲でA7thコードが使われる場合,ドミナント7thコードに親近性のあるオルタード・スケール(ここでは,Aオルタード・スケール:後述)を割り当ててフレーズを作る,といった具合です。と,説明すると,「なんでいちいちオルタード・スケールやねん!Aミクソリディアンでいいやんか」と言われてしまいそうですね。それも確かに手なのですが,Aミクソリディアン・スケール=Dダイアトニック・スケールということになるので,転調感が強すぎるというか,フレーズが曲調から浮いてしまうおそれがあります。

[Top]

2. ディミニッシュ・スケール

全てのディミニッシュ・コードの基盤となる原則的なスケールです。・・・,またまた,中途半端に斜線を使ったわかりづらい図ですみません(汗)。

[C ディミニッシュ・スケール(C: Diminished Scale]
ディミニッシュ・コードの構成音(右図ではCdim)と,その長2度上のディミニッシュ・コードの構成音(右図ではDdim)を組み合わせたスケール。長2度・短2度の規則的な間隔(全音・半音)を持つ8音構成のスケールになります。
2度上の各音がテンションとなりますが,ディミニッシュ・コードではテンションを表示しません(Cdim9等とは書かない)。

[Top]

3. ドミナント7thスケール

画像を用意するのが大変だワ・・・。その他の7音階のスケールとしては,調性上ドミナント・コードやセカンダリー・ドミナント・コードの基盤となるスケールが挙げられます。

[メロディック・マイナーの組み合わせで構成されるスケール]

[C オルタード・スケール(C: Altered Scale]
メロディック・マイナー・スケールを7度から並べ直したスケール(上図はD♭メロディック・マイナーに対応)。7th(♭5th)コードのコード・トーンとオルタード・テンションでできているので,ドミナント・コード(X7)時によく使われます。
オルタード・テンションの全て(♭9th,♯9th,♭13th)を含むので,これらのテンション・コードの基盤にもなります。
[C リディアン 7th・スケール(C: Lydian 7th Scale]
メロディック・マイナー・スケールを4度から並べ直したスケール(上図はGメロディック・マイナーに対応)。リディアン・スケールの7度をフラットにしたスケールと考えるとわかりやすいです。
7thコードと9th,♯11th13thのテンションで構成され,これらのテンションの基盤となります。
[C リディアン ♯5・スケール(C: Lydian #5 Scale]
メロディック・マイナー・スケールを3度から並べ直したスケール(上図はAメロディック・マイナーに対応)。
マイナー・キーのVmaj7(♯5)コードの基盤となります。

話は変わりますが,この3つのスケールの関係は,[Cメロディック・マイナー][Fリディアン・7th][Bオルタード]となります。ここで,EメジャーもしくはEハーモニック・マイナーのU-X「F#m7→B7」と,「B7」の置換ドミナント「Cm7→F7」を考えると・・・。

U-X F♯m7 7 orm
置換ドミナント m7 7

このコード進行に,上述のスケールを割り当てると・・・,

  Bオルタード  
Cメロディック・マイナー Fリディアン・7th

と,いう関係ができあがります。Cメロディック・マイナーとFリディアン・7thの関係がU-Xになっている,ということですね。

テンションの分類(リディアン系とオルタード系)・・・上で説明したドミナント7thスケールのうち,リディアン7th・スケールでは9th,♯11th13thのテンション付加が可能であり,オルタード・スケールでは♭9th,♯9th,♭13thのテンション付加が可能で,前者を「リディアン系」・「ナチュラル系」,後者を「オルタード系」として区別します。7thコードにはほとんどのテンションを付加することができますが,スケール上区別されていることから,2つ以上のテンションを付加する場合はこの分類に従って選ぶのが基本となります。もちろん,違う組み合わせが不可能なわけではありませんが・・・,あまりお薦めできる響きではないかと思います(笑)。

[ハーモニック・マイナーの組み合わせで構成されるスケール]

[C ハーモニック・マイナーP5th・ビロー(C: Harmonic Minor P5th Below]
ハーモニック・マイナー・スケールを5度から並べ直したスケール(略称:HMP5↓。右図はFハーモニック・マイナーに対応)。オルタード・テンション(♭9th,♭13th)が含まれ,これらのテンション・コードの基盤にもなります。
このスケールでもミクソリディアン・スケールと同様,4thsus4コードとして,M3に代わって使用されます。

ハーモニック・マイナーP5th・ビローの特徴は,あるハーモニック・マイナー・スケールの5度から開始されるという点です。これをドミナント・コードに利用すれば,例えば,Cmに解決したい場合,ドミナントはG7ですから,ここからCmを意識してCハーモニック・マイナー(=G HMP5↓)の音列を弾けばよいことになります。

7 m

Cハーモニック・マイナー(G HMP5↓)

っていうか,そんなん,ハーモニック・マイナー自体がドミナント5度を補うスケールやねんから当然やん!と,言われればそれまでですが・・・。スケール理論としてこのドミナント進行を覚えておくことには,それなりの意義があります。つまり,曲自体がハーモニック・マイナーではない普通の調性であっても,例えばセカンダリー・ドミナントからマイナー・コードへ帰着したいときに,このスケールが「アベイラブル」になるわけです(ドミナント進行でメジャー・コードではなくマイナー・コードに帰着したい場合,先行のドミナント6度(13度)が帰着先コードの3度になるため,メジャー・コードならば13th=M3th,マイナー・コードならば♭13th=m3thが選ばれる)。

[その他のドミナント7thスケール]

[C ホールトーン・スケール(C: Wholetone Scale]
全ての構成音が長2度(全音)の間隔で並べられた6音階のスケール。全音音階とも呼ばれます。aug4aug5が共存し,これらの変化和音の基盤となります。
aug4は♯11thのテンションを構成。aug5は異名同音m6=♭13thと考えてテンションに加えることもできます。
[C コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール(C: Combination of Diminished Scale]
ドミナント7thコードと同じルートを持つディミニッシュ・コード(右図ではCdim)を構成し,各音の中間にその長2度下のディミニッシュ・コードの構成音(右図ではB♭dim)を配置したスケール。ディミニッシュ・スケールとは逆に,短2度・長2度(半音・全音)の規則的な間隔で音が並びます。
オルタード・テンション(♭9th,♯9th)とナチュラル・テンション(13th)が共存しているのが特徴です。

この図表で覚えるのは,あまり良い方法とは言えないかも知れません。あるディミニッシュ・コードと長2度下のディミニッシュ・コードとの組み合わせで出来ているわけですから,先ほど紹介したディミニッシュ・コードにおいて,Cディミニッシュ・コードは「Cdim+Ddim」なであり,これを「D」から並べ直せば得られるスケール,と覚えておくのが良いでしょう。

[ドミナント7thスケールのまとめ]
7 (ドミナント5度進行) maj

使用可能スケール: リディアン7th,リディアン#5

7 (ドミナント5度進行) m

使用可能スケール: オルタード,HMP5↓等

帰着先コードの3度(ドミナント7th6度)でメジャー・マイナーを区別してみました。この他にも,例えばメジャー・コードに帰着する場合は7度の音程でsus4が使えるかどうかが決まったりします。結局は,ドミナント7thと帰着先コードのスケール両方を吟味してやる必要があるわけですね。

[Top]

4. ブルース・スケール

ブルースの拠り所となるスケールです。

[C ブルース・スケール(C: Blues Scale]
マイナー・ペンタトニック・スケールの短3度及び短7度をブルー・ノートとし,これに減5度のブルー・ノートを加え,2度と6度を補ったスケールです。結果的には,ドリアン・スケールに減5度を補ったスケールになります。

このスケールを用いてフレーズを作れば何でもかんでもブルースになるのか,というと,どうもそうではないらしい・・・。やはり基本はダイアトニック・スケールですから,例えばCメジャー・ペンタトニックでのフレージングの中に,ちょろっと短3度を織り交ぜてやる(こういうのを,ギターでは「引っかけ」というらしいが),といった使い方が効果的なようです。

[Top]

5. ペンタトニック・スケール

さて,お約束のペンタ?,に移ります。

ペンタトニック・スケールは5音構成のスケールで,五音音階と呼ばれます。おそらく,ギターを始めた人が,一番最初に覚えるスケールでしょう(筆者もそうでした)。ギターでは左手のポジションがわかりやすく,また指板上の複数の位置で,同一スケールをキープ出きる為,初心者に大変わかりやすいのです。更に,そう言った性質から,ギター・ソロ等のアドリブ・フレーズに大変役立ちます。

古くは,民族音楽の基盤スケールとして親しまれてきたものですが,現代音楽でもポップスからロック,演歌,フュージョン,ジャズに至るまで,アレンジ次第で何とでもなってしまいます(笑)。と,言うことは,逆に,一歩間違えれば,軽快なポップスのハズが拳の入った(?)演歌の曲になってしまったりもするので,気を付けましょう。自由度が高い分,意外にセンスが要求されてしまうのですね。

[C メジャー・ペンタトニック・スケール(C: Major Pentatonic Scale]
アイオニアン・スケール(通常の音階)から完全4度と長7度を省略したスケール。よって,半音で接する部分がありません。スコットランド民謡に多く取り入れられており,「スコットランドの音階」とも言います。
構成音自体はアイオニアン・スケールと同じですから,メジャー・コードの基盤となります。
[A マイナー・ペンタトニック・スケール(A: Minor Pentatonic Scale]
メジャー・ペンタトニック・スケールを6度から並べ直したスケール。エオリアン・スケール(自然的短音階)から長2度と短6度を省略した形となります。
同様に,マイナー・コードの基盤となりますが,ブルース・スケールとの関係から,ブルース(ブルーノート)・ペンタトニック・スケールとも呼ばれます。

マイナー・ペンタトニック・スケールは,メジャー・コード(maj76th7th)で使われる場合に,ブルース・ペンタトニック・スケールとなります。

スケールは,ここで紹介したモノ以外にもたくさん存在しますが(例えば,半音階(Chromatic Scale)等),コード・スケールと密接に結びつくものとしてはここに挙げたものを理解しておけば十分でしょう。

[Top] / [ギター講座] All Right Reserved, (C) Binary-ID 1998-2003